精製水は飲める?飲むべきではない3つの根拠をメーカーが解説
「精製水って飲めるの?飲めないの?」という点について疑問に思われている方は少なくないのではないでしょうか?精製水の製品の中にはパッケージに飲用として使用できないことを明記されているものもありますが、インターネットで調べてみると「飲める」とする説、「飲めない」とする説の両方がヒットします。
今回は、精製水メーカー直販サイトである「精製水.com」が、精製水が飲めるのか飲めないのかについて、根拠を紹介しながら解説します。また、飲む以外の用途についても記事内で紹介しているので、余った精製水の用途を調べている方も参考にしていただけるかと思います。
精製水は飲んでも問題ないが、あまり飲むべきではない
精製水が飲めるか飲めないかについては、インターネット上などでさまざまな意見が紹介されていますが、結論からいえば飲むべきではありません。
精製水は水道水などの原水から消毒液や、ミネラル分などを除去したものなので、口にすればすぐに体調不良を起こすといったようなことはありません。ではなぜ、精製水を飲むのが良くないかといえば、長期的に見た場合に健康面でデメリットが生じる可能性があることと、そのまま飲んでもおいしいと感じられない可能性が高いことなどの理由があります。
「精製水が飲めない」となった場合に、余った精製水をどのように使い切ろうか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、精製水は以下の用途で使用できます。
- ガラスや車の清掃
- 加湿器やアロマディフューザーに使用する水
- 洗顔や洗髪などの生活用水
「精製水の使い道!3つの用途からわかるメリットや魅力」の記事にて精製水の用途について詳しく紹介しているので、余った精製水の用途を考えられている方はぜひ参考にしてください。
精製水を飲用として使用するのがおすすめではない理由
精製水は純粋な水という意味で「純水」とも呼ばれるので、飲用にあまり適していないのは意外な感じがされるかもしれません。ここでは、精製水が飲用としてはおすすめではない根拠を紹介します。
理由①水としての性質が強い精製水は体の大事な栄養素を溶かしてしまう可能性がある
水にはものを溶かす性質があり、純度が高くなればなるほど水本来の性質が強くなります。精製水は、水道水やミネラルウォーターなどの飲用水よりもものを溶かす働きが強く出るため、身体に必要なミネラル分などの栄養素を溶かして、体外に排出してしまう可能性があるということになります。
水のものを溶かす性質は、体内で栄養を運搬させる際などに必要な役割ですが、その力が強いと必要以上に栄養素を溶かしてしまい、体外まで運んでしまう可能性が生じてしまいます。
「海外では精製水が飲用として販売されているので、飲んでも問題ない」という情報を目にされた方もいらっしゃるかもしれません。Amazonなどで検索してみると確かに飲用の精製水が販売されています。
参照:Amazon
しかし、海外と日本とでは普段口にする水の条件が大きく異なるため、海外で精製水が飲めるから日本でも飲めるとは断言できません。というのも、海外の水の大半は硬水といってミネラル(カルシウムとマグネシウム)の含有量が非常に多い水です。普段からミネラルを多量に摂取している海外の方と、ミネラルの含有量が少ない軟水を口にしている日本人とでは、そもそもの条件が異なるということです。
理由②精製水には水をおいしくするミネラルが含まれていない
精製水は、不純物を除去した水のことですが、水をおいしくするミネラル分も一緒に除去されています。大阪大学工学部教授の「おいしく健康な水のミネラルバランス指標」によると、水をおいしくするミネラル分はカリウム・カルシウム・シリカです。
地下水を原水とした美味しい水が「ミネラルウォーター」という名称で販売されていることからも、ミネラルが水をおいしくするというのはイメージしやすいのではないでしょうか?
参考:(おいしく健康な水のミネラルバランス指標:大阪大学工学部教授 橋本奨教氏)
理由③精製水には不純物混入のリスクがある
3つ目の理由は、精製水には消毒剤が入っていないので開封後に不純物が混入しやすいリスクがあることです。
塩素系の消毒剤が入っている水道水の場合、外部から細菌などが入ってきても殺菌する作用がありますが、精製水の場合は殺菌作用が無いので、混入して繁殖してしまうリスクが水道水よりも高いということです。開封前はしっかりと密封されているので問題ありませんが、開封後に一気に繁殖してしまう可能性もあり、繁殖した菌が腹痛などの要因となるリスクがあります。
消毒剤が含まれていないという点ではミネラルウォーターも同じ条件ですが、開封後何日間か経過した精製水をそのまま飲んでしまうと、体調に不調をきたしてしまう可能性があります。
まとめ
結論としては、精製水は飲用としてはおすすめしません。
精製水には、体内で必要な栄養素まで溶かしてしまう可能性があること、水をおいしくするミネラル分が含まれていないこと、体調不良を引き起こす細菌が繁殖するリスクがあることといった、飲用としてはあまり向いていない事情があるためです。
清掃や生活用水・加湿器など、さまざまな用途があるので、精製水のメリットを活かせる用途で利用していただくことをおすすめします。