【精製水で肌荒れ改善へ】水道水や市販化粧品の成分から徹底検証

【精製水で肌荒れ改善へ】

乾燥が気になる季節や、敏感肌の方の肌の悩みや肌荒れを解決するアイテムとして、精製水が注目されています。実際に、精製水を美容の用途で利用して、肌荒れを改善したという口コミについてもインターネット上で散見されます。

今回の記事では、精製水と肌荒れとの関係について紹介します。そして、そのために水道水や市販の化粧品が、肌に対してどのような影響を与える可能性があるのか、というところから解説していきます。精製水を使用する際の注意点についても記載しているので、肌荒れの悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。

精製水は肌荒れに効果あり?水道水や化粧品との違いを解説!

精製水は肌荒れに効果あり?

乾燥肌、敏感肌の方にとっては、どんなに注意をしていても肌がカサカサになってしまったり、ニキビや吹き出物に悩まされたりするものです。しかしながら、肌荒れの原因は乾燥、ストレス、乱れた食生活、便秘、腎臓の不調など、その他の疾患を原因とするもの、間違ったスキンケア、寝不足など非常に幅広く、特定することが困難です。

そこで「精製水が肌荒れの改善に効果的」ということが正しいか否かを検証するために、精製水を使用しなかった場合に、どのような肌荒れリスクが存在するのかについて検証したうえで、精製水の使用の効果について確認してみましょう。

検証①水道水に含まれる残留塩素

一般的に、洗顔や加湿器、美顔器などに使用されるは水道水です。

水道水には「清浄な水」を供給するために、さまざまな項目の規定が設けられています。そのうちの一つとして、一定量以上の塩素消毒をおこなわなければならないことが規定されています。

参考:厚生労働省

この塩素の消毒剤が水道水にも残留塩素として残っており、塩素が強すぎる場合にはカルキ臭が強くなってしまったり、肌にダメージを与えたりする可能性があるとされています。

※残留塩素
「残留塩素」といえば、すごく悪いもののようなイメージを抱いてしまうかもしれませんが、おいしく安全な水を使用するためには不可欠でもあります。

残留塩素が含まれているからこそ水道水は一定期間日持ちしますが(例えば、水出しでお茶を作った場合に冷蔵庫内で数日間保管できるのは残留塩素の殺菌力のおかげです)、もし水道水に残留塩素が含まれていなければ2日間も保存がききません。

また、水源に元々含まれているレジオネラ菌などの細菌も塩素系の消毒剤によって基準値以下まで殺菌されます。

残留塩素は、肌にとってダメージとなるリスクがある反面、日本の水道においては現状必要不可欠なものとして使用されています。

実際に、どの程度の分量の残留塩素が肌や人体に悪い影響を及ぼすのかについては、現状詳しいデータが発表されていませんが、残留塩素に「酸化力を持つ」ことはハッキリしています。

参考:一般財団法人環境イノベーション情報機構

酸化には、皮膚や髪の原料でもあるたんぱく質を壊したり変質させたりする作用があるので、洗顔やスチーマーに水道水を使用することが肌の負担になったり、肌荒れを招いたりする可能性はあります。そして、水道水の代わりに塩素系消毒剤の含まれていない精製水を使用することにより、肌へのダメージの要因を一つ無くすことができるということです。

検証②化粧品に含まれる薬品

市販の化粧品に関しては様々な成分が含まれているため、一つひとつの商品を検証する必要があります。また、ある人にとってはすごく良い化粧品であっても異なる人にとっては肌荒れの原因となってしまうなど、相性も踏まえて判断する必要があります。

従って、あくまでも一般論ということにはなりますが、市販の化粧品には保湿成分や美容成分の他に、化粧品を長持ちさせるための防腐剤や、泡立ちの良さを出すためなどに使用されている界面活性剤などが使用されています。

防腐剤(あるいは「防腐剤フリー化粧品」において防腐剤の代用として使用される成分)や界面活性剤にもさまざまな種類があり、必ずしも肌に負担のかかるものとも言い切れませんが、現在使用している化粧品の中に肌荒れの原因となる成分が含まれている可能性は否定できません。

精製水を使用した場合、最小限の原料で手作り化粧品を作ることができます(⇒手作り化粧品について詳しく知りたい方は「精製水の美容効果を徹底検証】肌への負担を軽くする超節約コスメ」にて案内しているのでぜひ、ご覧ください)

レシピはさまざまですが、手作り化粧品の場合には、水と保湿剤のみでも作ることができるので最小限の原料で作ることができます。もし、化粧品の何らかの原料が肌に合っていない方の場合は、市販の化粧品を手作り化粧品に切り替えることでダメージを軽減できる可能性があります。

肌荒れ防止で精製水を正しく使用するための2つのポイント

肌荒れ防止で精製水を正しく使用するための2つのポイント

精製水は、不純物がほとんど含まれていない純水ですが、使い方によっては逆に、余計に肌に負担がかかってしまう可能性もあります。精製水の使い方に関する注意点を2つ紹介します。

注意点①使用期限を正しく守る

塩素系の消毒剤が含まれていないことは精製水の大きな特徴ですが、使用期限や使用法に関してはその分注意が必要です。

精製水の場合、未開封の状態で半年間から1年間程度の使用期限が設けられています(使用期限は、精製水の商品によって異なります)。また、開封後はできるだけ早く使用するように注意書きがされている精製水が一般的です。

さらに、直射日光の当たらない冷暗所、もしくは冷蔵庫で保管することなど、使用に関する注意事項を正しく守りましょう。

これは、精製水内へ細菌が繁殖することを避けるためです。精製水には消毒剤が含まれていないため、いったん細菌が繁殖してしまうと、一気に繁殖してしまうリスクがあるためです。

洗顔や手作り化粧品など、単一の目的で精製水を購入する場合には、使用期限内に使い切れないケースもあるので、精製水の有効な活用法(アロマディフーザー、加湿器、窓ガラスや鏡の掃除、美顔器など)をあらかじめ考えておくのも、無駄にしないためには効果的です。

注意点②精製水=化粧品ではないことを把握する

インターネットサイトなどの情報によっては「精製水を化粧品として使用すれば肌荒れやニキビが改善」などの効果をうたっているものもありますが、精製水はあくまで水であって化粧品や医薬品ではありません。精製水には不純物が含まれていないことから、肌へのダメージが少ないこと、保湿成分を希釈した場合に水道水などよりも肌に浸透しやすいことなどのメリットが期待できますが、精製水自体に保湿成分が含まれているわけではありません。

従って、乾燥に悩んでいる方や化粧水やパックとして精製水を使用したい方は、保湿成分を加えることを忘れないようにしましょう。

まとめ

水道水や市販の化粧品に含まれる肌荒れを引き起こす要因のある物質(塩素系の消毒剤や界面活性剤、防腐剤など)が精製水には含まれていません。そうした肌へのダメージの要因がない精製水(あるいは精製水を原料として作った手作り化粧品)を使用することで、肌荒れやニキビ・アトピーなどの肌のトラブルを改善できる可能性があります。

特に、水道水に含まれる塩素系の消毒剤について、どの程度の使用量で肌へのトラブルが生じるという、明確な指針が出されているわけではありませんが、毎日のケアのことなので少しでもリスクを減らすことは非常に大切なことではないかと思います。