精製水で手作り化粧水|原料解説とオリジナルアレンジ法も解説

精製水で手作り化粧水

従来、精製水はコンタクトレンズの洗浄の目的を主として市販されていましたが、近年、注目が高まっているのが手作りの化粧水を作る用途での使用法です。

手作りの精製水は、コストが非常に安いだけではなく、少ない成分しか入っていないので、肌への負担も抑えられるというメリットがあります。また、目的によって配合を変えるなど、自由度の高さも魅力の一つです。

今回は精製水での手作り化粧水のつくり方についてポイントをまとめます。化粧水のバリエーションや注意点についてもまとめてあるので、手作り化粧水で節約を目指している方、ニキビやアトピーに悩んでいて対策を考えている方は参考にしていただけたら幸いです。

精製水を使った手作り化粧水のつくり方

精製水を使った手作り化粧水のつくり方

まずは、手作りの化粧水のつくり方について紹介します。

手作り化粧水のつくり方(オーソドックス編)

まずは、多くの方が試しているオーソドックスな化粧水のつくり方です。

<材料>

  • 精製水45ml
  • グリセリン5ml
  • (無水エタノール5ml)
  • (精油2~3滴)

※無水エタノールと精油は、肌質や好みによって加えても加えなくてもOKです。

<作り方>

  1. ビーカーやボトルなどの容器にグリセリンを入れます。(無水エタノールを使用する際は、ここで混ぜ合わせます)
  2. 精油を加えます。キャリアオイルの場合は完全に混ざり合わないので、使用する際によく振って混ぜ合わせるようにします。
  3. 精製水を入れて、混ぜ合わせます。

基本的には混ぜ合わせるだけなので、非常に手軽です。

<ワンポイントアドバイス!>
ここで、1点注意点があります。
手作り化粧水を作る際に使用する容器は、そのまま使用すると細菌や不純物が化粧水に混ざり合ってしまいます。市販されている化粧水や水道水などには、防腐剤や塩素系の消毒剤が含まれているため、こうした容器をそのまま使用しても基本的には問題ありませんが、精製水は消毒剤が除去されており、防腐剤も入っていません。

細菌が混入してしまうと、一気に繁殖してしまうリスクがあります。ボトルはあらかじめ熱湯消毒をしてから使用するように徹底しましょう。

基本的な材料の解説

基本的な材料の解説

手作り化粧水を使用する際に、使用する材料について簡単に解説します。肌に直接塗るものである以上、これらの成分が肌にとってどのような役割をするのかについて理解をしておきましょう。

・精製水
精製水は、水道水や地下水などの原水から塩素系消毒剤やイオン(ミネラルが水に溶け込んだもの)などの不純物の大半を取り除いたものです。本来の水の成分に近いことから「純水」とも呼ばれています。特に塩素系の消毒剤は肌への負担になってしまう可能性が指摘されていることから、最近は美容目的で精製水が利用されることが増えています。

(→美容目的で使用される精製水の用途やその根拠については「【精製水の美容効果を徹底検証】肌への負担を軽くする超節約コスメ」にて詳しく解説しているので、興味のある方は是非ご覧ください)

・グリセリン
化粧水の原料としても有名なグリセリンは、保湿性・吸水性に優れていることが大きな特徴で、手作り化粧水においても肌への水分の浸透のために用いられています。

参考:日本化粧品技術者会

・精油(エッセンシャルオイル)
精油(エッセンシャルオイル)は、植物から抽出した成分で、非常に香りが良いのでアロマテラピーの原料としてもよく利用されています。リラックス効果やホルモンの調整効果、免疫を高める効果、抗菌効果などが知られています。手作り化粧水として使用する際には、香りの良さや肌の代謝を高めてくれる効果が注目されており、エイジングケアの効果も期待されています。

参考:(公社)日本アロマ環境協会

・無水エタノール
無水エタノールは、精製水と混ぜ合わせることでエタノールになり、以下の効果ができます。

  • 殺菌作用
  • 有効成分の肌への浸透を助ける働き
  • グリセリンのべたつきを抑える効果(グリセリンと併用時)
  • 精油と精製水を混ぜ合わせる働き(精油との併用時)

無水エタノールのみを精製水と混ぜても、消毒液としての働きしか期待できませんが、グリセリンや精油と混ぜて使用することで、化粧水としての機能を高められるということです。ただし揮発性があるため、乾燥肌の方にとってはヒリヒリとした感じが残ってしまうかもしれません。肌質に合わせて使用するか否か、使用量の調整などをすると良いでしょう。

精油の選び方で香りや肌質に合わせた化粧水を作ることも

精油の選び方によって、好みの香りを楽しんだり肌の悩みに合った化粧水を作ったりするなど、レシピを調整することもできます。

例えば、精油の選び方によって以下のような効果が期待できます。

ペパーミント:ニキビ、肌の炎症を抑える
レモン:免疫力アップ
ローズマリー:冷えの改善
シダーウッド:ニキビ、吹き出物改善、肌の引き締め(脂性肌に効果的)

精油の効能や香りを楽しみながら自分好みの化粧水を作ることができます。

手作り化粧水は不純物の少なさがメリットでもあり注意点でもある

手作り化粧水は不純物の少なさがメリット

手作り化粧水には、以上のように非常にシンプルな材料で作られています。特に敏感肌の方やアトピー性皮膚炎の方は、化粧水に含まれている何らかの成分によって、かゆみや湿疹の反応が出てしまうことがありますが、手作り化粧水は非常にシンプルな材料で作られているため、今まで市販の化粧水が合わなかった方や肌荒れを起こしやすい方でも、調子が良くなったという話がよく聞かれます。

しかし、シンプルさゆえに防腐剤などが含まれていないので、特に使用期限や細菌の繁殖については注意をする必要があります。そのためには、手作り精製水は密封ボトルで管理し、不純物の混入を最小限に抑えましょう。また、清潔な冷暗所で保管することも重要です。

何より重要なことは早めに使い切ることです(目安としては2週間以内)。

まとめ

精製水を使用した手作り化粧水のつくり方について紹介しました。

化粧水を手作りするといえばとても難しい作業のように思えるかもしれませんが、数種類の材料を混ぜ合わせるだけで作ることができるので、化粧水を作ること自体はとても簡単な作業です。好みの精油(エッセンシャルオイル)を選んだり、肌質や肌の状態によって分量を調整したりするなどすれば「自分のオリジナル化粧水」といった思いも強く実感できるのではないでしょうか?

保管方法や使用期限に注意して、化粧水づくりを試してみてください。もし、精製水が余ったら、化粧水づくりの際に使ったエッセンシャルオイルを使って、体と機械に優しいアロマディフューザーを楽しんでいただくこともできます(精製水を使ったアロマは、塩素系の消毒剤が含まれていないので非常に健康的で、また、不純物が含まれていないことから機械が壊れにくいというメリットがあります)。