医療分野で使用される滅菌精製水とはどういうものか、知っていますか?

医療サイドにて使われる水にはいろいろな種類のものが使用されています。たかが水と思われるかもしれませんが、状況によって使われる水が違うのです。常水、精製水、滅菌精製水、注射用水などそれぞれの用途に応じて異なる水が使用されます。
 

常水とよばれるものは水道水・井戸水の事です。常水は飲み水や調理や掃除に使います。処置室などに通されると目につくかもしれませんが、輸液ボトルや色の異なるボトルがたくさん置いてあったりします。その中でも一般でも購入できるのは精製水と言われるものがあります。精製水は傷の処置などの時に使われたりするので知っている方もいるでしょう。主要目的としては、科学実験の溶媒や、コンタクトレンズや医療用器具の洗浄など、雑菌が混入してもあまり影響がでない用途で使われます。
 

以外と入手しやすく、使い勝手もよい

ドラックストアにも売っているので購入可能です。お値段も高くはありません。精製水は常水を蒸留しイオン交換樹脂を通して、逆浸透、限外ろ過、またはそれらの組み合わせによって精製したものです。製剤の原料のみでなく、試薬と言われる薬の調整などにも使用されます。

似たような名前の精製水で滅菌精製水というものもあります。精製水と滅菌精製水とは似ていますし、無色透明の液体ですが、精製水と滅菌精製水とは製造過程や使用目的が異なるものです。簡単に言うと滅菌精製水とは精製水を滅菌したものです。製造工程が特殊で精製水を115度、30分間高圧蒸気滅菌し、ロット毎に無菌試験を保証した製品となっています。

それに対して精製水は、130度、5秒間の高温処理を施し、定期的に生菌数試験を実施し、十分な微生物汚染対策を行われています。

 

さまざまな用途で使用される滅菌精製水

 

具体的な使用法は点眼剤や経口剤、軟膏剤に使われたり、医療器具の最終洗浄に使用されたりします。これは通常注射液の製造には使用できません。注射に使うのは注射用水で、精製水を滅菌し、発熱性物質(エンドトキシン)試験に適合したもので、注射用水を蒸留法により製造した場合は、別名として注射用蒸留水と表示されてます。生理食塩液と言われるものあります。

 

塩化ナトリウム(0.85~0.95w/v%)と注射用水を注射剤の製法により製したものです。保存剤をふくみません。これは、注射剤の精製、生体内の無菌・等張の洗浄用水などに使われます。たかが水ですが、使用上の注意事項がそれぞれあります。それぞの水について保管場所や保管方法についても気をつけなければいけません。一般的には、乳幼児、小児の手の届かないところで、直射日光、高温、湿気を避けて保管してください。微生による汚染を避けて保存してください。薬が残った場合は保管しないで破棄してください。厳密な保管方法はその医療機関や場所毎に定められているのでそれに基づいて保管してください。